前回のアトピー性皮膚炎の症例報告に引き続き、今回は気管支喘息の症例報告です。

 

気管支喘息は「気管支平滑筋の収縮による気道の狭窄」であるという従来の概念から1992年、「気道の慢性炎症に伴う気道の閉塞」という考えかたに変わり、治療も気管支拡張剤主体から吸入ステロイド薬を基本とするようになりました。

 

治療のゴールはあくまで「薬なしで喘息発作がなく健康人と同じ生活を送れること」ですが、現状は難しく一般的には吸入ステロイド薬を継続することが推奨されています。ここではバイオアロマ水により気管支拡張剤、吸入ステロイド薬から離脱できた症例他をご紹介します。

気管支喘息に対する効果

64歳 男性 診断:気管支喘息

7年前喘息と診断され、気管支拡張剤、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬を処方されていた方です。初診時、全肺野にラ音(肺雑音)を聴取し、動脈血酸素飽和度(SPO2)は95%と低下していました。

 

この方にはバイオアロマ水の飲用ではなく、超音波ネブライザー(USN)による緑豆レギュラー5mlの吸入を開始しました。それと同時に吸入ステロイド薬を中止していただき、抗炎症作用を期待してω3系脂肪酸である魚油のEPAを一日1800mg追加処方しました。

 

USNは毎診察時に行うのみで1ヶ月後には気管支拡張剤も不要になり、5ヶ月後には抗アレルギー薬も不要になりました。

 

8ヶ月後の現在の治療薬はEPA,乳酸菌、去痰剤のみとなりSPO2は97~98%とほぼ正常です。ただし万が一の発作時を考慮し吸入気管支拡張剤を携帯して頂いています。

血液検査データも以下の通り明らかに改善しています。

正常値 初診時 終診時
LDH
(U/L)
(115~245) 253 178
好酸球
(%)
(0~6) 34 2,4
IgE
(IU/ml)
(173以下) 1240 776

このように気管支拡張剤、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬の離脱に成功し、症状改善と共にすべての値が激減しています。

驚くべきことにこの間、吸入したバイオアロマ水の緑豆レギュラーは総量でわずか25mlでした。


咳喘息

咳喘息とは気管支喘息と異なり喘鳴や呼吸困難はなく、乾いた咳が8週間以上持続し、嗽は夜間多く、寒気吸入や運動で誘発され、好酸球やIgEも増加します。


56歳 女性 診断:咳喘息

3ヶ月前より空咳が続き、耳鼻科で抗アレルギー薬2種類と気管支拡張剤を処方されていましたが、症状改善なく、5月15日当院初診となりました。

 

肺のラ音は聴取せず、好酸球は6%、IgEも149 IU/mlと正常でしたが、イヌ・ヒノキ(クラス2)、ハンノキ属(クラス4)のアレルギー反応を示しました。

 

この方にもUSNによる緑豆レギュラー5mlの吸入を開始しました。すると、吸入3回目の2週間後には咳喘息は完全に消失していました。

46歳 女性 診断:咳喘息

10年前から風邪の後に咳が続くようになり、7年前に大学病院で咳喘息と診断されました。当院初診時は気管支拡張剤3種、吸入ステロイド薬、抗アレルギー薬、去痰剤を処方されていた方です。

 

早速USNによる緑豆レギュラー5mlの吸入を開始し、吸入ステロイド薬を中止し、抗炎症作用を期待してω3系脂肪酸である魚油のEPAを一日1800mg追加処方しました。

 

3週間後、吸入6回目の診察時には咳は完全消失しました。その後7ヶ月間無治療期間が続きましたが、風邪をきっかけに咳喘息が再発、去痰剤と気管支拡張剤1錠のみ再開し、緑豆レギュラー5mlの吸入5回で再び咳喘息は消失しました。

さらに3ヶ月後再び風邪をきっかけにして咳喘息発作をきたしましたが、前回と同じ内服薬10日分のみと9日間に7回のバイオアロマ吸入で発作は消失しました。その後、無治療にて2ヶ月間以上無症状で健康な生活が続いています。1年間の緑豆レギュラーアロマ水の使用総量は85mlでした。

 


 

以上、バイオアロマ水の少量の吸入のみで著効した気管支喘息と咳喘息2症例を報告しましたが、咳喘息は短期間で完治しており、しかも通常の治療薬を離脱できたことから、患者さんのQOLに大きく貢献できるものと確信しました。とりわけバイオアロマ水の吸入のみでこのような効果が得られ、コストパフォーマンスの点でも非常に優れているといえるでしょう。

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